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HISTORY

歴史を知る

庚申塔・巡拝塔

庚申塔・巡拝塔

左:川井田の畑の青面金剛をかたどった庚申塔 右:川井田の畑の巡拝塔

庚申塔
 庚申塔は庚申信仰の本尊である青面金剛や三猿などを刻んだ石塔です。庚申信仰は、仏教思想に道教などの民間信仰が習合して成立したもの。60日に一度訪れる庚申の夜、人の体内に住む三尸(さんし)がその人物の善悪を天帝へ報告するといわれ、これを避けるために農民たちはその日は講中の家に集まって寝ずに過ごしました。庚申塔は彼らが信仰の証しとしてしばしば造立したものです。
 岡上では川井田と谷戸にあり、川井田の畑の庚申塔には正面に青面金剛が彫られています。右側面に「文化三丙□九年吉日」、左側面に「宮野傳藏」と刻まれており、江戸時代後期の1806(文化3)年に宮野傳藏によって建立されたことがわかります。
巡拝塔
 巡拝塔は、お伊勢参りやお遍路の四国八十八ヶ所巡りなど民衆巡礼が流行したとき、長い旅路の安全を祈願して各地に祀られたものです。
 岡上・川井田の畑の庚申塔の隣に並ぶ巡拝塔は札所順礼の記念の塔で、正面には梵字で「キリーク」(阿弥陀如来)・「サ」(観音菩薩)・「サク」(勢至菩薩)の名が、その下に「奉納 秩父 西国 坂東 供養塔」と刻まれています。江戸時代後期の1794(寛政6)年に岡上村の宮野傳藏らが建立したものです。

※個人の敷地内に所在しますので、見学の際には迷惑にならないようご配慮ください。

参考・引用:
『岡上の魅力再発見』(「岡上の魅力再発見」調査会・岡上町内会、2010年発行)
川崎市教育委員会 川崎市地域文化財紹介

川井田の畑の石造物


川崎市麻生区岡上603(小田急線・鶴川駅より徒歩9分)

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